「スタジオご紹介」シリーズは、Unlisted登録アーティストについて詳しくご紹介するシリーズです。彼らが何者で、どこから来て、何が彼らを動かしているのか、どうぞご覧ください。

Passion Picturesは30年以上に渡り、アニメーションとプロダクションを行っています。

アニメーションの世界において、Passion Picturesは先駆者であると同時に強者でもあります。アニメーションと映画制作を30年以上に渡って手掛けている同社は、アカデミー賞を含む数多くの受賞歴に輝いており、象徴的で記憶に残るTVコマーシャルや映画などの作品を制作し、キャラクターアニメーションとストーリー制作の分野で世界レベルの揺るぎない地位を築いています。

創立の歴史、アーティスト、プロジェクトのご紹介

1987年にアンドリュー・ルヘマンによって設立されたPassion Picturesは、世界各地にオフィスを持ち、コマーシャル、デジタルショートフィルム、長編ドキュメンタリー、放送番組、ミュージックビデオ、コンピュータゲーム、ウェブサイト、ライブイベントなど、あらゆるメディアに対応しています。Passion PicturesのアニメーションスタジオにはDarren Walsh、Kyra & Constantin、againstallodds、Mark Waring、Mads Broni、Jon Saunders、Robert Valley、Sam Fell、McBess、Russell Brookeなど数多くの優秀なディレクターが所属しています。ディレクター陣は技術を向上することにより、バンドGorillazのミュージックビデオに見られる宇宙など象徴的なプロジェクトを指揮し、拡張現実や仮想現実が広く使用される前にVR制作をマスターしました。

私たちは、Passion Picturesのエグゼクティブ・プロデューサーであるBelle Palmerさんに、同社の素晴らしい創造力の秘訣を聞いてみました。

Passion Picturesが他のアニメーションスタジオと異なる点は?

当たり前の事かもしれませんが、ディレクター、プロダクションチーム、CG スタッフ、アーティストなど、弊社所属の誰もが素晴らしいストーリーを伝えたい、優れたプロジェクトに尽力したいと思っています。互いに協力し合う強いチームワークを誇っており、新型コロナウィルスが流行している昨今でも、私たちの結束に変わりはありません。 それぞれの部門で、様々なスタイルやテクニック、ストーリー制作の方法を持っており、私たちはこれまで以上に緊密に協力し合っています。また、アカデミー賞ドキュメンタリー部門で受賞に輝いたアーティストが弊社に所属していることも誇れることです。

アニメーション制作に関して一番誤解されていることは何だと思われますか?

一般的にアニメーション制作には様々な問題がありますが、私たちはそのような懸念を払拭するために最善を尽くしています。制作過程について質問することは恥ずかしいことではありませんし、私たちはすべてのお客様にそれを明確に伝えています。また、実写作品との相乗効果が期待できる部分も多いので、2つのプロセスがどのように重なっているかをお客様にお伝えすることもあります。例えば、キャラクターデザインは「キャスティング」の一種であり、キャラクターに命を吹き込みます。また、CG や Stopframe では、物理的またはCG の光源を使って「セット」を照らします。アニメーションの専門家でなくても、さまざまな段階を理解することができるので、よりスムーズに作業を進めることができます。

Passion Picturesは、アカデミー賞を受賞したアニメーションスタジオの中でも非常に有能なスタジオだと感じます。アカデミー賞を受賞したことで、会社はどのように変わりましたか?

弊社は、アカデミー賞のダブル受賞を果たした長編映画「ロジャー・ラビット」をきっかけに設立されたため、映画制作には深いルーツがあります。いまだ頻繁に「ロジャー・ラビット」の制作陣からアーティストを募ることもあるくらいです。これも、私たちがいかにしてディレクターたちと良好な関係を築き、その関係を維持しているかを物語っています。経験豊富で優秀なアーティストから新卒のフレッシュな才能まで、あらゆるレベルにおいて人材こそが非常に重要です。アカデミー賞を受賞したスタジオですと、優秀な人材を惹きつけるのは確かです。しかし、長編作品の実績があるアニメーターたちだけではなく、業界に入りたてのアーティストも私たちは歓迎しています。

今後アニメーション制作はどうなっていくとお考えですか?

スピードの必要性です!広告業界は、元来のTVコマーシャルからSNSのプラットフォームに明らかに移行しており、クライアントはより素早く完成するコンテンツを望んでいます。弊社はリアルタイムレンダリングシステムや手動のパペットを使用して、数週間ではなく数分でアニメーションコンテンツを完成させる制作方法を開拓してきました。 しかし、消費者へのアピールという点では、作品の品質が常に一番重要です。面白いストーリーを伝えたり、リアルなキャラクターに命を吹き込んだり、美しいアートを創造することに力を注げば、視聴者が作品を早送りする可能性はずっと低くなります。早送りされるのは広告業界では大きい痛手ですからね。ブランドは常に商品を売りたいと思っていますが、消費者は例え広告がコーヒーを淹れる間に見る30秒のCMだったとしても、常に楽しませてもらいたいと思っているものです。この対比はずっと変わりません。

この数十年で、業界で起きた最も大きな変化は何でしょうか?

新型コロナウィルスはアニメーション業界全体に大きな成長をもたらしましたが、「在宅ワーク」への移行が最も大きいと思います。他の業界と同様に、働く環境がガラリと変わりました。テクノロジーへ極端に依存していたことに気付いたり、コミュニケーションの取り方を見直したりと、すべての人にとって学びがありました。幸いなことに、弊社はバルセロナとパリのスタジオの一部またはすべてのスタッフがすでにリモートで作業していたため、様々な面で有利だったと思います。私たちは、世界中のクルー、アーティスト、プロデューサーと仕事をし、プロジェクトのニーズに合わせてチームを編成しているのでこのような利点がありました。

Passion Picturesの作品をご覧ください。