今月の「スタジオご紹介」では、パリに拠点を置き、創造性を熱心に育てている事で有名なスタジオ、Eddyにお話を伺いました。

Eddy は新進気鋭の才能を発掘・育成することで知られる、傑出したクリエイティブスタジオであり制作会社です。

2015年に設立されたEddy は、業界で評価の高いアーティストたちと契約しながらも、未来のスターも発掘しています。

2Dと3Dアニメーション、モーショングラフィックス、ミクストメディアのエキスパートです。

CGキャラクターアニメーションにおいて、世界的トップに数えられるEddy は、あらゆるデジタルメディアでのストーリー制作を専門としています。Eddyは、登録ディレクター陣に、商業制作だけではなく個人的な制作も推奨しており、その事に誇りを持っています。

私たちはEddyのBruno Recorbetさんにスタジオの内部構造についてお話を伺いました。

Eddyが他のアニメーションスタジオと異なる点は?

私たちの会社には様々なタイプのディレクターが所属しており、それぞれが独自の世界を持っています。私たちはディレクター主導の会社として、ショートフィルム、ミュージックビデオ、コマーシャルなど、あらゆるフォーマットの作品を制作しています。新しくて野心的なアートを生み出すため、私たちはディレクターたちが商業的な制作と個人的な制作をどちらも行えるように機会を与え、彼らの研究のためにエネルギーと時間を注いでいます。

アニメーション制作に関して一番誤解されていることは何だと思われますか?

忘れがちな事ですが、良いアニメーションの制作には時間が掛かります。時々クライアントから要望を頂くのが遅すぎる事がありますが、この先は改善されるだろうと考えています。私たちはクライアントにアニメーション制作の過程について説明しており、今では早い段階で受注することが多くなっています。制作に適切な時間を割くことができれば、誰もが利益を得ることができます。アニメーションには、実写と比べてもうひとつの強みがあります。それは、新型コロナウィルスによる影響が非常に少ないことです。弊社の制作スタジオは一度も休業することがありませんでしたし、リモートでの制作システムを作り出しました。もちろん、人と人とのつながりがすべての制作の核心であるため、本社オフィスは今でも重要です。

Eddyは新しい才能の育成で知られていますが、新人アーティストを探す際はどのような点を重視していますか?

弊社所属の新人アーティストたちは、様々なバックグラウンドを持っています。アートディレクターからアニメーターまで、私たちは各々の個性に焦点を当て、脚本制作や映像制作のプロセスにおいて、他の才能ある方々とコラボレーションできるような創造的な空間を提供しています。私たちは、新卒の若いアーティストだけではなく、海外のディレクターとも契約しますが、一番心が踊るのは、ディレクターと長期的な良い関係を築けた時です。

今後アニメーション制作はどうなっていくとお考えですか?

昨今、様々な変化が起きています。代理店やクライアントが、新しいプロジェクトのために制作会社を起用する方法が変わってきています。私たちは、代理店とクリエイティブにコラボレーションすることの出来る、より重要な存在となっています。この業界は非常に厳しい世界なので、私たちは人材と才能に投資しています。なぜなら、アーティストは制作スタジオに献身的に支えられてこそ、ユニークなアイディアを生み出すことができるからです。それが代理店やクライアントと共に面白い作品を作るためには最も重要なことです。また、具体的な変化としては、VRや非代替性トークンなど、新しい体験がますます一般化しており、私たちも注目しています。また、NetflixシリーズのLove Death & RobotsやThe Spider Verseなどの作品や、日本のアニメやマンガ人気のおかげで、「アニメーションの世界」全体に人気が集まっていると感じています。

この数十年で、業界で起きた最も大きな変化は何でしょうか?

正直分かりませんね。今のところ、2DとCGの技術をミックスしたハイブリッドなスタイルに向かっているのは明らかです。しかし、市場は新しいトレンドが生まれるたびに非常に速く変わります。Eddyでは、新たな挑戦を多少必要とするような、優れた作品を制作するようにしています。それを受け入れてくれる業界もありますし、倦厭する業界もあります。また、将来的には、世界中の観客に向けて、より大人向けのアニメーションを制作できる事を願っています。

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